「部下から「ジタハラがひどい」って言われたんだけど、ジタハラってなに?」
「ジタハラの原因って何?ジタハラ上司にならないための対策方法ってある?」
このように、働き方改革によって急浮上してきたジタハラに頭を悩ませる人は多いでしょう。
ジタハラに苦しめられている部下と、無意識のうちにジタハラをしてしまっている上司。
両者を救うために、本記事ではジタハラの原因とジタハラ上司にならない10の解決策について解説していきます。
もう大丈夫!ジタハラで部下を苦しめないように、一緒に学んでいきましょう!
そもそもジタハラって何?
というところから、分かりやすく例を挙げながら解説していきます。
ジタハラ(時短ハラスメント)とは?
それではまず、ジタハラ(時短ハラスメント)について簡単に解説しておきます。
業務量を減らしたり業務の効率化を図っていないにもかかわらず、業務時間を減らすように部下に命じることです。
定時退社を義務付けられた部下たちは、勤務時間内に仕事を終わらせることが出来ません。
なのに、
上司A「なんで仕事を終わらせられないんだ!」
上司B「最近仕事の質が下がっているぞ!怠けているのか?」
などと叱られてしまうこと。
これこそがまさにジタハラですね。
ジタハラによって起きる5つの問題とは?
それでは次に、ジタハラによって発生する問題について解説していきます。
ジタハラによる問題①サビ残(サービス残業)の増加
業務量が減らないのに勤務時間だけ減った場合、まず何が起こるのか?
それは、サビ残(サービス残業)の増加です。
退勤の打刻をした後に、こっそりとオフィスに戻って仕事をする人や、パソコンを家に持って帰って家で仕事をする人が続出してしまいます。
働き方改革が完全に裏目に出た例だと言えます。
子供「お父ちゃん、なんで家で仕事してるの?」
父 「それはね、会社が働き方改革しているからだよ。」
子供「働き方改革って仕事が増えるんだね!」
⇧働き方改革?なにそれ?って感じですね。
ジタハラによる問題②情報の漏洩
先ほど述べたように、家で仕事をするために、機密情報をパソコンやUSBで家に持ち帰る人がいます。
しかし、パソコンやUSBを紛失した場合、会社の情報が漏洩してしまいます。
一昔前の経営資源は、ヒトモノカネと言われてきました。
しかし現代では、情報が重要な経営資源に挙げられています。
その情報が漏洩してしまうのは、会社にとって大きな痛手となります。
しかも、情報漏洩してしまう管理体制の甘さという観点から、会社の信頼まで無くしてしまいます。
ジタハラによる問題③従業員の意欲の低下
業務量はそのままで勤務時間だけ減った従業員たちはどのように思うのでしょうか?
今よりも苦しい思いをする羽目になりますので、当然不満が溜まります。
仕事に対するモチベーションは下がりますし、職場に愛想を尽かして転職してしまう人も出てくるでしょう。
他にも、残業時間が減ることで残業代も減り、著しくモチベーションを下げる人まで出てくるでしょう。
ジタハラによる問題④アウトプットの質の低下
業務量が減らずに勤務時間だけ減ると、一つひとつの仕事に割く時間が減るのは必然です。
中途半端なままでも仕事をとにかく終わらせようとしますので、アウトプットの質が下がっていきます。
でもそれは、部下たちのやる気が下がった訳ではありません。
何も改善策を講じなかった上司たちの責任と言えます。
ジタハラによる問題⑤下請け事業者に無理な発注をする
あなたたちの職場の業務が上手く回らなくなると、下請け業者にも多大な影響が及びます。
例えば、今まで1ヶ月の納期でお願いしていた仕事を、3週間の納期に短縮してもらうなどの無茶苦茶な発注をしてしまう可能性があります。
下請け業者が何とかしてくれるとも限りません。
無茶な要求をすることで、下請け業者の従業員たちも不平不満が溜まることでしょう。
上司がジタハラをしてしまう4つの理由
次に、上司がジタハラをしてしまう理由について解説していきます。
上司のみなさん、心当たりがあったら赤信号ですよ。
上司がジタハラする理由①会社の方針だから仕方がないと思っている
上司「会社の方針だから、仕事量は変わらないけど勤務時間だけ減るのは仕方がない。みんな、今まで以上に一致団結してがんばろう!」
部下(表向き)「はい!」
部下(心の中)「はあ!?具体策無しかよ!!」
会社の方針だから仕方がないなんて理由で、部下が納得するわけがありません。
こんなセリフで部下に納得してもらおうなんて、部下を舐めてます。
暴動もんですね。
会社の方針だからではなく、上司自身の言葉や想い、具体的な対策方法を述べなければ、部下も納得できません。
ただ怒りを買うだけです。
上司がジタハラする理由②自主的に部下が業務改善すると思っている
仕事量そのままに勤務時間だけ減ったことで、今までのやり方では仕事は終わりません。
そこで上司は、
上司「一人ひとりが自主的に効率化を図り、この環境の変化に適応するだろう。」
という恐ろしい勘違いをします。
この考え、めちゃくちゃ危ないですよ。
効率化できない部下は、どんどん潰れていきます。
実際、こんな考えを持った上司は非常に多いと感じています。
上司がジタハラする理由③職場全体で対応する必要があることを分かっていない
働き方改革による勤務時間の短縮は、もはや個人個人の対応では何ともなりません。
組織的に効率化を図っていかなければなりません。
しかし、それを分かっていない上司が多いです。
一人ひとりが改善できることは限られています。
上司たちが音頭を取り、職場全体で改善しなければ、働き方改革の勤務時間の短縮には対応できません。
上司がジタハラする理由④部下と自分を同じ感覚だと思っている
上司「自分はこう思う。だから部下たちもこう思っているだろう。」
このように、部下と自分が同じ感覚を持っていると勘違いしている上司がいます。
例えば、
少し極端に書きましたが、上記例と同じベクトルで物を考える上司もいます。
部下からすると、全く理解できないことを押し付けられている感覚に陥るでしょう。
ジタハラを解決する対策方法とは?
それではいよいよ、ジタハラを解決する対策方法について解説していきます。
かなり具体的に書いていますので、今すぐにでも実践できるものばかりです。
実用的なテクニックとして、活用してみてください。
ジタハラを解決する対策方法①部下一人ひとりの意見を聞く
まずやるべきことは、部下一人ひとりの意見を聞くことです。
先ほども述べましたが、個人個人の改善ではどうにもならない可能性が高いです。
職場全体で業務改善に取り組んでいくという姿勢を上司自らが示すことで、部下たちも前向きに業務改善に取り組んでいけるでしょう。
上司「どんな些細な事でもいいから、業務の効率化につながる改善策は無いかな?いつもここ時間かかるなあ。とか、もっとここを改善したらムダが無くなるのになあ。と感じることはないかな?」
部下A「毎朝部品を倉庫から運搬する移動時間がムダで。置き場を変更すればいいと感じてます。」
部下B「朝礼が長すぎると思います。毎日毎日30分も必要でしょうか?」
このように、部下一人ひとりの意見を抽出し、必要な対応を取っていきましょう。
部下の生の声にこそ、改善の種は眠っています。
ジタハラを解決する対策方法②業務の属人化を解消する
属人化とは、ある業務のやり方やノウハウを特定の人しか知らない状態を指します。
特定の人しか業務が出来ませんので、その人が出張に行ったり、急病や退職でいなくなった時に、残された人たちが非常に苦労します。
業務の属人化は、非効率の極みです。
属人化した業務は特定の従業員しか対応できませんので、その従業員に業務が集まり、その結果長時間の残業につながります。
そこで、業務の属人化を解消しましょう。
具体的な方法としては、その業務に精通した従業員に、分かりやすいマニュアルを作成してもらいましょう。
マニュアルには、ノウハウなども詰め込んでもらうべきです。
また、研修の講師をしてもらい、多くの従業員がその仕事についての理解を深められるようにするべきです。
ジタハラを解決する対策方法③メールの効率化を図る
ビジネスパーソンの時間を多く奪うもの、それがメールです。
メールの効率化を進めるだけで、全従業員の時間を節約することが出来ます。
たとえば、下記のテクニックがあります。
・メールを開いたら即返信
・5W1Hを盛り込んで相手の質問メールを減らす
メールを効率化する24ものテクニックを下記の記事にまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
職場みんなが効率的にメール処理できれば、めちゃくちゃ時間を節約できますよ!
ジタハラを解決する対策方法④会議(打合せ)を効率化する
メールに引き続き、ビジネスパーソンの時間を多く奪っているのは、会議(打合せ)です。
会議(打合せ)を効率化するだけで、残業時間は劇的に減るでしょう。
たとえば、下記のテクニックがあります。
・アジェンダ(話し合う議題)とゴール(決定事項)を明確に決める
・実物のプロトタイプ(試作品)を持ち込む
会議(打合せ)を劇的に効率化する方法を、下記の記事にまとめていますのでぜひ参考にしてください。
【超決定版】会議の無駄を無くし効率化する28個の問題への対策方法
会議のムダは、ビジネスパーソン永遠の課題と言えます。⇧の記事をさらっと目を通すだけでも、効率化は進みますので、おすすめです!
ジタハラを解決する対策方法⑤パソコン動作を早くする
毎日毎日パソコンを使う職場だと、パソコン動作がちょっと遅いだけでもかなりの時間を奪われています。
そこで、パソコン動作を早くしましょう。
たとえば、下記のテクニックがあります。
・スタートアップアプリを無効化する
・視覚効果を無効化する
他にもパソコン動作を改善する14もの方法について、下記の記事にまとめていますのでぜひ参考にしてください。
こういう積み重ねが、時間を節約し、結果としてジタハラ対策となります!
ジタハラを解決する対策方法⑥仕事を効率化するおすすめビジネススキルを習得する
多くのビジネスパーソンは、日々の仕事の中でムダな時間を過ごしています。
そのムダを極力なくすことで、業務改善が進み、ジタハラ対策となります。
たとえば、業務改善として下記のテクニックがあります。
・ポモドーロテクニック
・速読
その他にも、仕事を効率化する9つのおすすめビジネススキルについて、下記の記事に詳細にまとめていますのでぜひ参考にしてください。
特にポモドーロテクニックは私のイチオシです!ぜひお試しあれ!
ジタハラを解決する対策方法⑦スキルマップ
スキルマップの活用は、ジタハラ解決に大きく貢献してくれます!
チームの業務で必要なスキルや知識、経験を洗い出してリスト化し、各項目毎にメンバー1人ひとりの実力を数字で記入し、見える化した一覧表です。
スキルマップを活用することによって得られる大きなメリットとしては、下記5点が挙げられます。
①メンバーのスキルの見える化
②人材育成の方針の明確化
③チームのレベルの底上げ
④人の異動に対して強いチームになる
⑤メンバーが切磋琢磨してモチベーションが向上する
前述した属人化対策にもなりますし、人材の成長による効率化も進みます。
結果として、ジタハラの対策としてかなり有効な方法となります。
(スキルマップを作るために最初は負荷がかかりますが。)
スキルマップ導入のメリットや作成方法とコツについては、下記の記事にて詳細にまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
⇧実例も乗せていますので、きっとあなたのお役に立てますよ♪
ジタハラを解決する対策方法⑧ハラスメントについての感度を高める
ジタハラに限らず、上司はみなハラスメントへの感度を高めるべきです。
「気付かなかった!!」
では済まされません。
ハラスメントについては、
「一体どんなハラスメントがあるのか?」と日頃から調べたり、
「今日はハラスメントをしなかったか?」と一日を振り返ることが大切です。
ジタハラを解決する対策方法⑨部下と定期的に面談する
部下は常に悩んでいます。
悩んでいない部下なんていません。
部下の悩みを解決することで、部下の効率アップやモチベーションの増加など、多くのメリットが得られます。
部下の悩みを解決するためには、部下と定期的に面談することが最も有効です。
また部下と定期的に面談することで、ジタハラを防ぐことが出来ます。
なお、部下の悩みを解決する面談術については、下記の記事にて詳細にまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
【部下育成のためのリーダーシップの極意】面談術を超具体的に教える
個人面談は本当に効果が大きいので、おすすめ!「時間がない!」なんて言わず、ぜひ小まめに面談して下さい!
ジタハラを解決する対策方法⑩残業が多い部下を優先的に、残業の原因を探る
物事には優先順位があります。
最終的には部下全員の業務効率を達成するにしても、まずは特に残業が多い部下を優先的に、残業の原因を探っていくのが得策です。
「なぜこの部下は異常に残業が多いのか?」
ということについてしっかり考えるようにしましょう。
業務量?
効率?
モチベーション?
人間関係?
この4点から考えてみましょう。
ある程度の目星はついても、本当の原因は見えてこないかもしれません。
そんな時は、先ほどご紹介した面談術を使い、部下の残業過多の原因について、部下と共に考えていきましょう。
ジタハラ対策は、上司の重要な仕事である
本記事は、様々なジタハラ対策の方法について伝えてきました。
ジタハラ対策は、もはや上司の立派な仕事の一つとなっています。
ぜひ本記事を参考にし、ジタハラ対策を講じて下さい。
あなたのジタハラ問題が解決することを願っております!さあ、がんばっていきましょう!
※本記事をブックマークし、ぜひ定期的に振り返って下さい。何度も読み返すことで必ずあなたの仕事力向上の手助けになれると確信しています。ブックマークをおすすめします。
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ー以上ー
「あなたのビジネス力の向上、全力で支援します!」をモットーにした、自動車業界の大手メーカーの会社員です。
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